これまでもダイワ28mm径のカスタムスプールを製造・販売していたRoro社
最初の28mm径スプールであるAX24では、ベアリング込みで4.37gという驚異的な軽さでユーザーの度肝を抜きました。
その後継のAX22ではスプール重量はそれほど変わらないものの、スプール形状の見直しや、スプール軸の両端にセラミックのボールをはめ込んで抵抗を減らすなど、主に機構面でのブラッシュアップがなされました。
このバージョンアップでは、飛距離自体はそれほど変わらないものの、ブレーキのピーキーさが和らぎ、軽量ルアーへの対応力が格段にアップしたのは、軽量ルアーを使うユーザーからすると大きな進歩でした。
そして今回、AX22-Mgが新たにリリースされました。
さらなる軽量化が施されたAX22-Mgは、どのようなスプールになったか見ていきたいと思います！
＜スプール重量について＞
最も気になるのがスプール重量ですよね。
正直なところ、AX24ですら驚異の軽さだったRoroのカスタムスプール。
それが、新素材である「チタニウム-マグネシウム合金」を使う事で、さらなる軽量化がなされたとのこと。
その重量は驚異の3.76g！
割合にして15%近い軽量化を達成しています
また、ベアリング無しの重量については2.97gと、3gを切る異次元の軽さ…
こうなると強度面での心配が出てきますが、その点については従来機と変わらないとのこと。
軽量化をしても、新しい素材を使うことで強度は担保しているようです。
AX22では60cmクラスのニジマスを釣り上げても不具合は無かったので、その程度の強度はもっているようです。
＜価格について＞
2023年8月のレートで換算すると、スプールのお値段は22400円…
日本から購入する場合、更に関税が1500円ほどかかるので、トータルの金額は23900円になります
正直なところ、シマノのSLX BFSどころか、1ランク上のスコーピオンBFSが新品で買えてしまうほどの金額です…
まぁ、円安でレートが悪くなっているというのも大きな要因ですが、AX24は1万円しなかったことを考えると、かなりの価格アップです。
というか、国内メーカーのカスタムスプールを含めて考えても、ダントツに高価ですね。
この値段を出すだけの価値があるかどうかは難しいところですが、少なくとも私は購入して良かったと思っています。
その理由は後述…
＜カラーリングについて＞
従来のAX24/22では「シルバー」「ゴールド」「ブラック」「レッド」の4色展開でしたが、今回のAX22-Mgはブラックのみとなっています。
さすがにこの価格だと、メーカーでもそれほど爆発的に売れるとは思っていないようで、カラーバリエーションを無くし、ほぼ受註生産のような体制になっているようです。
その証拠に、オーダーをするときに18文字まではスプールのブレーキ部分に刻印を入れてくれるサービスがあったりします。
私も刻印して貰いましたｗ
＜AX22との性能比較＞
実際にルアーをキャストして、どれくらい性能がアップしているのか、計測してみました。
AX22-Mgについては、メーカーでも0.6gまではキャスト可能と謳っているので、0.7gと0.5gのルアーを投げ比べてみました。
実際は0.6gのルアーも用意していたのですが、0.5gが問題なくキャストできてしまったため、より差が大きくなりそうな0.5gで比較してみました。
また、飛距離をハンドルの回転数で計測すると誤差が大きくなりすぎるため、今回は家の庭に24mの巻き尺を設置し、その上にキャストして計測しました。
計測時のギアについては下記の通りです。
ロッド：メジャークラフト FSG-B382UL（3ft8inch）
リール：ダイワ 月下美人AirTW スプールのみを交換して計測
ライン：シマノ PITBULL 0.4号 ※リーダー無しでスナップ直結
また、参考値として6ftのロッド（ダイワ プレッソST60LB）でもキャストしました。
その結果がこちらです
正直なところ、AX22が出たときに「こりゃ究極のスプールだなぁ」と思いましたが、まだまだ改善の余地があるんですねぇ…
まさかここに来て、テスト内容によっては40%ちかく飛距離アップするとは思いませんでした。
＜実際に渓流で使ってみる＞
AX22-Mgを入れたシルバークリークAirTWを渓流で使ってみました。
さすがにアンダー1ｇをネイティブでは使わないのですが、それでも恩恵を感じることができます。
たまに使う菅スプーンの1.8gは、使うロッドなどによってはかなりキャストしにくいですが、AX22-Mgであれば2.5gぐらいのルアーの感覚でキャストすることが可能です。
これは純粋に嬉しいですね
＜管理釣り場で使ってみる＞
やはりアンダー1gというと管理釣り場での使用がメインになってくるかと思いますが、先ほどの計測の通り0.5gですら実釣レベルでのキャストが可能です。
もちろん、高性能なスピニングリールとロッドの組み合わせであれば、もっと飛距離が出ると思いますが、とは言えベイトリールで0.5gがここまで飛ばせるというのは十分以上ではないでしょうか？
もちろん1g程度のルアーであれば、もう本当に普通に使えてしまいます。
また、1.2gのプラグ（ミッツ ドライ）なんかも普通に飛ばせます。
もちろん、風の状況によってはバックラしてしまうシチュエーションもあるかもしれませんが、ちょっと風が吹くぐらいであれば、全く問題なくキャストすることが可能です。こりゃスゴイ！
＜まとめ＞
ということで、Roro社の新28mm径カスタムスプール AX22-Mgのインプレ・レビューでした！
正直なところ、価格が価格なので万人にオススメできるものではありませんが、私のように、何でもベイトリールでやりたいという方には、刺さるプロダクトなんじゃないかと思います。
私と同じく、何でもベイトでやりたくてお財布に余裕のある方は、ぜひ購入を検討してみてください。
…まぁ、かなり少数派だとは思いますがｗ
