ロッド

鱒レンジャー RZ50B インプレ&レビュー

鱒レンジャーと言えば、釣りをしている人なら誰しもが思い浮かべるソリッドグラスロッドの代名詞ですね。
あのフニャフニャの感触は他に類を見ないもので、コアなファンも多くいらっしゃいます。
…最近は類似品も多いみたいですけどw

そんな鱒レンジャーですが、2021年に突如として「ソリッドカーボン」のロッドをリリースしました。
それが今回ご紹介する

鱒レンジャーRZ50

です。

鱒レンジャーがカーボン?しかもソリッド?

リリースされた直後、鱒レンジャー愛好家の間に激震が走ったこのロッド。

今回はこちらのインプレ&レビューとなります。

<スペック>

【鱒レンジャーRZ50 ベイトタイプ】
長さ:5ft.
継ぎ:2pc.(といっても変則的)
対応ルアーウエイト:0.8-7g
対応ライン:1.5-6lb
重量:95g

ルアーウエイトや対応ライン、レングスをみると、完全に「渓流ベイトフィネスに使ってね!」といわんばかりの構成です。
5ftなので、上流・源流域というよりは、もう少し川幅が広めの上~中流域ぐらいがターゲットになりそうです。

ちなみに、ロッドウエイトは95gとなっていますが、ソリッドカーボンは先重りがするので、表示よりもかなり重く感じます。
このあたりは鱒レンジャーだなぁという、変な安心感がw

<特徴>

なんと言っても、このタイプのロッドとしては類を見ない「フルソリッドカーボン」のブランクスですね。
たまにメルカリやヤフオクの怪しい中華ロッドで、トップのブランクスだけソリッドというのはありますが、全体がソリッドカーボンというのはめったにお目にかかりません。

ジギング用ロッドやバス用のごく一部で採用されているだけらしく、そもそもブランクス自体、作っているメーカーが限られていそうです。

確かにフルソリッドが鱒レンジャーの特徴ではありますが、なんでカーボンにしたのか、本当に謎ですねw

そして、鱒レンジャーとしてはという前提条件が付きますが価格も特徴的で、鱒レンジャーのくせに

8800円

もします。
これも特徴といえば特徴ですよねw

前述のソリッドカーボンのブランクス価格がそのまま反映されているようですが、鱒レンジャーに8800円はなぁ…

メジャークラフトとかの普通のロッドが買えちゃいますからね、これだけ出す価値があるのかどうかは本当に悩むところ。

また、今回から2ピース仕様になったと聞いて「いよいよ鱒レンジャーも普通のロッドっぽい仕様になったなぁ」と思ったんですが、まさかのグリップ部分とブランクス部分に分かれる、変則2ピース仕様…私の喜びを返して欲しいw


まさかの根本から分割の2ピース…詐欺やろw

<見た目>

こう言っては何ですが、RZ50になって、本当に普通のロッドのような見た目になりましたw

これまでの鱒レンジャーは「お遊び用のロッドだよ」と言わんばかりのルックスでしたが、急にオシャンになってビックリですよw

とはいえ、リールを固定するキャップのカーボン感とか、コルクシートの貼り付けだろうなーというグリップなど、チープ感が漂っているのは否定できません。

というか、他のメーカーのロッドは、このあたりもっと普通なんで、これで8800円かーと思うとやるせないというかなんというか。

<ガイド>

これは普通の鱒レンジャーと全く同じ物が付いています。本当に安物のハードガイドですね。

厳密に言うと、ちょっと小径化されていたりするんですが、まぁ誤差ですよ。

8800円もするんだから、もう少しマシなガイドを付けるべきとは思いますね。

他の安物の鱒レンジャーと同じってなぁ…

ちなみに、このトップガイドって本当に糸絡みしやすいんですよ。

私もすぐに交換しちゃいましたw

ちなみに、サイズはブランクスの先端径が1.1mmぐらいなので、対応する径は1.2mmもしくは1.4mmのもの。
リング径は手持ちに4.5mmのがあったので取り付けてみたところ、2番ガイドよりも大きかったので、おそらく4mmもしくは3.5mmぐらいがいいと思います。

交換については、後でもう1本詳細な記事をアップするつもりなので、そちらをご覧ください。

<実用ルアーウエイト>

実際にいろいろなルアーを投げてみましたが、快適にキャストできるのは1.5~5gといったところ。

スペック表にある0.8gとかの1g以下も投げられると言えば投げられますが、まぁ操作性は以下略って感じですね。

また、5gを超えてくると、明らかにロッド側のパワー不足ですね。

ソリッドカーボンなので全体的にはパワーがあるんですが、キャストがしやすいかどうかというのは別問題。

5gを超えてくると「どっこいしょ!」という感じで投げなければならない感じ。本当に「投げられる」だけですね。

<キャスティング>

よく曲がる上にバットパワーはソコソコあるので、軽いウエイトのルアーでも飛ばすことが可能です。
リールの性能にも依存しますが、18アルファスAirストリームカスタムでも1g台のルアーを余裕で飛ばすことができます。
とはいえ、飛ばせるだけでアキュラシー高くとは言えないので、実際に使うとすれば2gぐらいからになると思います。

また、キャストには独特の溜めが必要で、普通のカーボンロッドのつもりでキャストするとバックラしやすいようです。このあたりのキャストフィールは鱒レンジャー譲りですね。
なので
「これは鱒レンジャー、これは鱒レンジャー」
と思いながら投げるのが大事ですw

<ミノーイング>

従来の鱒レンジャーでのミノーイングは「悪いことは言わないから別のロッドを買え」とか「ミノーの動きを殺す」とか散々な言われようでした。
しかし、このRZではかなりマシなものになっています。

もちろん、ミノーイングでの使用を前提としたロッドと比べてはダメですけど、十分に使える範囲内にありますね。
欠点とすれば、先重りするバランスのせいで疲れやすそうというぐらい。

<使うシチュエーション>

長さが5ftあり、軽いウエイトの物もそれなりに投げられるため、非常に汎用性が高いロッドになっていると思います。
このあたりの味付けの妙は、さすが鱒レンジャーといったところ。

ただ、どの釣りがマッチングするかと言われると、ちょっと悩みますね。
5ftと言う長さが半端で、バス釣り用には短すぎますし、渓流用としてはちょっと長すぎる気もします。

そこそこ開けた、上流・中流域での渓流が一番マッチしそうですが、そいういうフィールドは、そんなに多くないですよね。

まぁ、この半端さが鱒レンジャーと言えば鱒レンジャーっぽいんですけどw

<まとめ>

正直なところ、この価格で買う価値があるのかどうかと聞かれると、個人的には「無い」と答えるしかないかなぁ…

ブランクスが特殊なのは理解しますが、8800円出すのであれば低価格ロッドメーカーの一般的な物が買えてしまいます。

例えばメジャークラフトであれば、バス釣り用であれば「バスパラ」が買えますし(実売7千円後半)、トラウト用であれば「トラパラ」が買えてしまいます(実売7千円後半)

特に、上記商品であればガイドはステンレス-SiCガイドになっているので、性能的には上と言えます。

先述の通り、実質1ピース仕様なので持ち運びには不便ですし、キャストには独特のクセがあります。

それを考えると、鱒レンジャーに思い入れが無いのであれば、オススメはしないなぁ、というのが正直な感想です。

ただ、これまで鱒レンジャーを愛用してきて思い入れがある方であれば、鱒レンジャーの徒花を入手するのも面白いかと思います。

それに8800円を出す勇気があれば、ですがw

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