ダイワから発売されました「月下美人 Air TW PE Special」(以下、月下美人Air)
商品ページや同名のロッドを見ると、アジングなどで使うソルトベイトフィネス 用として位置づけられているようです。
ただ、機能面ではどう考えても同社のベイトフィネスリールであるアルファスAirTWの上位機種のような内容…これなら渓流ベイトフィネスでも使えるんじゃ?
と思い、さっそく入手してみました。
今回はそのレビューとなります。
先に動画でレビューもアップしていますので、こちらもご覧ください。
<注目の機能>
スペックやらなんやらはメーカーホームページを見てもらうとして、私が強く惹かれたのは下記の3点
1.28mmナロースプール
20アルファスAirTW・スティーズAirTWから採用された28mmの小口径スプールですが、月下美人でも引き続き採用されています。
しかし、ただの28mm小口径スプールではなく、なんとナロー化されているという!
Tウィングシステムとあわせて、キャスト時のロスは限りなく小さくなったと言えそうです。
このナロー化が気になる!
2.ハイパードライブデザイン
2021年からダイワのリールに採用された「ハイパードライブデザイン」。
これはギアや外装部、クラッチなど多岐にわたる改良点をまとめたもので、要するに「すごいタフになった」ということのよう。
また、巻心地も良くなっているということで、このあたりも気になるところ。
3.ドラグ引き出しクリック
いわゆる「ドラグ音」の機能ですね。
ダイワのベイトリールって、ドラグ音が出るほうが珍しかったんですよね。
確かに、機能的な意味でいうとドラグ音は出ても出なくても関係ないんですが、釣り人としては
「ドラグ音が鳴るようなデカイ魚を掛けてんじゃーーー!」
っていう臨場感が欲しいじゃないですか。
その点、月下美人では標準でこのドラグ音が出るとのこと。これは嬉しいし気になる!
<ショートロッドとの組み合わせ>
先述の通り、月下美人Airの元々のターゲットはアジングなどのソルトベイトフィネス。
もちろん、組み合わせるロッドも6~7ftといった、それなりの長さのロッドになります。
開発する方も、こういったロングロッドとの組み合わせをメインにしていると思いますので、渓流で使うようなショートロッドと組み合わせた場合、どうなるのか気になるところです。
ということで、渓流ベイトフィネスロッドの中でも、超ショートロッドとなる3.8ftの「メジャークラフト FSG-B382UL」と組み合わせてテストしてみました。
まずは3gのBUXスプーン…まぁ、これは問題ないですよね。ベイトフィネス機としては、これが使えなきゃ話にならない。
というか、キャストフィールは素晴らしいの一言。
小口径スプールかつナロー化されているのが、こんなに劇的に効いているとは…
31mmスプールを採用している18アルファスAirストリームカスタムや、32mmスプールの16アルデバランBFSでは、キャストする瞬間に「スプールに力がかかった!」という衝撃が感じられたのですが、月下美人Airにはそれが全く無い。本当に当然のように飛んでいきます。これは凄い。
あまりに余裕だったので、2g台のルアーを飛ばして一気に1.5gのMIU(スプーン)のキャストをしてみました。
いや、これ普通に飛ぶわw
そりゃぁ元々が1g以下のジグを飛ばすために開発されたものなので当然といえば当然なんですが、まさかこんな超ショートロッドでも飛ばせるとは思いませんでした…凄いなぁ
次は空気抵抗が大きい2.5gのフローティグミノーであるダイワのドクターミノージョイント50F。
下手なリールだとバックラの嵐になるんですが…
まぁ、普通に飛ぶわw
というか、狙い通りバシバシとキャストが決まるのは気持ちいいっすね!
<ロングキャスト>
あまりにいい調子なんで、テンション上がってロングキャストしてみました。
ロッドはそのまま超ショートな3.8ftでw
ちなみに、当日は川の左手からまぁまぁな風が吹いていたのですが、ロングキャストしても全くバックラ知らずでした。
というか、逆風でキャストしても全く平気でした…最近のリールは凄いですねぇ。。。
動画ではフルカスタムの16アルデバランBFSと比較していますが、箱出しそのままで同等性能を叩き出しましたよ。
カスタムにかかる手間とお金を考えると、どう考えても月下美人を買ってくるほうが安いというw
16アルデバラン本体 3.2万円
アベイルスプール 1.2万円(マグネット含む)
ヘッジホッグベアリング 0.2万円
F-0オイル 0.2万円
合計 4.8万円
月下美人は4万円をちょっとだけ切るぐらいですからね。
しかもベアリングやオイルについてはカスタムする余地があるという…恐ろしい子!
<ブレーキについて>
ショップで20アルファスAirTWの試し投げをさせてもらうことがあるんですが、ショートキャストをすると、ブレーキが掛かるときと掛からないときがあったんですよね。
なんでこんなことが発生するのか調べたところ、これはダイワのエアブレーキの特性のようでした。
ダイワのエアブレーキは、スプールが回転するとスプール側のギミックが飛び出してブレーキを掛ける仕組みになっているのですが、スプールの回転が弱いと、このギミック部分が飛び出さない、もしくは飛び出しが弱くてブレーキが掛からないようです。
渓流ではショートキャストを繰り返すので、これが発生してしまうと、ちょっと釣りがしにくくなってしまうんですよね。
なので、20アルファスAirTWを買わずに、ブレーキのギミックが固定されている18アルファスAirストリームカスタムを購入した経緯があります。
もちろん、ブレーキが固定されてしまうとロングキャストはできなくなるんですが、まぁ渓流では20mも飛ばせればいいので、一般的なロングキャストなんてしないですからね。そういうカスタムをするとは、さすが渓流専用機。
月下美人も同じブレーキシステムを採用しているので、同じことが発生するんだろうなぁという覚悟はしていたのですが、実際にキャストしてみると、ほぼ発生しない…
私の投げ方のせいかもしれないんですが、ひょっとするとブレーキの調整具合が違うのかもしれません。
おそらくですが、スプール側のギミックが20アルファスAirTWよりも軽い回転で飛び出すようになっていて、ブレーキをできるだけ掛けるような仕組みになっているのではないかと…
とにかく、ショートキャストしてもブレーキが安定してかかるというのは、渓流釣りとしては非常にありがたいですね!
<まとめ>
元々が軽量ジグをキャストするために作られているので、渓流用のルアーも問題なく運用可能。
可変エアブレーキ採用でも近距離キャストが問題なく使えて、ロングキャストも得意。
ハイパードライブデザインを採用しているので、巻き感はヌルヌルと動き、ボディ剛性も十分以上。
20アルファスAirTWとの価格差が1万円ぐらいありますが、ベアリングとかスプール、ブレーキの調整を考えると、出してでも買う価値はあるかな、と思います。
いやぁ、ある意味、理想の渓流ベイトフィネス用リールって言ってもいいんじゃないでしょうか?
ただ外見がちょっと渓流には合わなさそうということを除けば、ですが…